【そもそも振袖とは?】香取市の谷屋呉服店です。

こんにちは!香取市で創業173年を迎える谷屋呉服店です。
振袖といえば成人式のイメージですが、そもそも振袖とはどんな着物で、どんなシーンで着用されるものなのでしょうか?
今回はそんなお話をしてみたいと思います。

 
【振袖とは?】
振袖は着物の種類の一つで、袂が長いものを指していいます。(袂「たもと」と読み、着物の袖の垂れ下がった部分を指します。)
「未婚女性の第一礼装」として用いられる着物で、成人式や卒業式といった祝い事で振袖を着る人が多いです。
また振袖は礼装用のフォーマルな着物なので、華やかな帯結びを合わせ、結婚式やお見合いの席などでもよく着られています。
ちなみに振袖は袂の長さによって大・中・小に分類されます。

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【振袖の歴史】
振袖の歴史は、江戸時代にまで遡ります。 江戸時代は小袖と呼ばれる着物の形が一般的でしたが、中期になると女性の袂が長くなり、振袖の原型のような形になりました。一般庶民はやや袂の長い着物で過ごしていましたが、踊りなどの舞台上では美しい所作を見せるためにわざと袖を長くした着物が用いられていました。この袂の長い着物はとても美しく、女性らしいという理由から一般庶民の間で大流行しました。
明治時代になると、女性の着物の柄行や色は華やかになり、今の振袖にとても近くなります。
この着物は長い袂が特徴的だったこともあり、「振袖」と呼ばれるようになり、今日の振袖の大元になったようです。

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【振袖が未婚女性の第一礼装になった背景】
袂の長い衣装は江戸時代中期以降に正式に子供や未婚女性の衣装になりました。
振袖は、未婚女性の身分を明かす道具にも用いられ、関所を通る際には未婚女性は必ず振袖を着ることが義務付けられていました。
しかし、普段の生活の中で袂の長い着物は勝手が悪く、自然と日常生活で振袖が着られることも無くなりました。それでも踊りや舞台の世界だけのものに留めておくのはもったいないということから、振袖は特別な日に着る晴れ着となったのです。
また、江戸時代では18歳を迎えた女性は振袖の長い袂を切って留袖に改めることで大人として迎え入れられたといいます。
一種の通過儀礼ですが、この通過儀礼が元で振袖はミスの礼装、留袖はミセスの礼装と考えられるようになったのです。
この通過儀礼は現代の成人式にも通じるものがあると当店では考えています。

その他にも様々な説があるようですが、女性の初めての厄年である19歳に振袖を着用して長い袖で災厄を振り払うといった意味も込められているようです。このことは当店でも成人式の振袖選びのお手伝いをさせていただくうえで大切にしていきたいと考えております。

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【振袖の種類】
・大振袖
大振袖、またの名を本振袖と言い、袖丈が110cm以上ある振袖のことをいいます。
最も長い袖丈は花嫁衣裳の着物で、袖丈は125cmにもなります。 成人式で着られる振袖も大振袖に分類されますが、その袖丈は115cm前後となり、着る人の身長によって袖丈の長さも多少前後します。
また、ご自身で振袖をお持ちの方は、ご自身が結婚されるときに着用される方が増えております。
・中振袖
中振袖は本振袖の袖ほど長い袖を持たない振袖で、袖丈は大体90cm前後となっています。その袖の長さから二尺袖ともいわれます。
大振袖ほど袖が長くないため、大振袖よりも動きやすいのが特徴です。
・小振袖
小振袖は、大振袖、中振袖に次ぐ袖の長さを持つ振袖です。 袖の長さは80cm前後ですが、訪問着や留袖の袂の長さが大体60cm前後ですので、振袖というよりも袖を長めに仕立てた着物と考えても良いと思います。

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【それぞれの着用シーン】
・大振袖
着物の中でも最も格調高い大振袖が用いられるのは成人式です。 大人としての第一歩を踏み出す女性を、華々しくサポートしてくれる着物として認識されており、成人式に本振袖(大振袖)を着るというのは日本の伝統になりつつあります。
成人式でお召しになられた振袖は、その後大学の卒業式や友人の結婚式などで再度用いられ、華やかな門出を祝う晴れ着として活躍します。
また前述しましたように、ご自身の結婚披露宴などで親御さんが誂えて下さったご自身の振袖を記念にお色直しで着用されるのもとても良いと思います。
・中振袖
中振袖は本振袖よりも袂が短いためか、大振袖ほどの華やかさはありません。そのため袴の下に着る着物として用いられることが多くなっています。そのため主な着用シーンとしては、学生の卒業式が挙げられます。
大振袖で大人っぽさを出すのも素敵ですし、中振袖で可愛らしさを出すのも一つの手です。
・小振袖
最近ではカラオケ発表会など舞台に立たれる方が、未婚既婚を問わず着用されるシーンが増えています。

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【まとめ~谷屋の想い】
成人式の振袖姿が定番化して長い年月が経っているため、改めて「なぜ成人式に振袖を着るのか」ということについて考える機会は少ないと思います。
成人式に振袖を着るようになったのは、成人の日が制定された1948年以降のことといってよいでしょう。 元々成人の日を制定した理由に、「大人としての自覚をもつこと」「20年間健康に生きて来られたことを両親に感謝すること」といったものがありました。
日本の伝統的な衣装である振袖を成人の日に着ることで、「日本人としての自覚」「大人としての自覚」の両方を認識させるということが、成人式で振袖を着る風習の始まりだったと言われています。
近年では、成人式が日本人に伝統の装いの良さを再認識させる良い機会にもなっており、成人式に振袖を着ることが伝統となってきていると思います。
大人への第一歩となる成人の日を最高の気持ちで、最高の衣装に身を包んで迎えるためにも、振袖を着る意味を思い浮かべ、自分が最も気に入った振袖を選んでみてはいかがでしょうか。

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