
浴衣(ゆかた)は、夏の「カジュアル着物」の一つとして、すっかり定番になりました。
気軽に着られる浴衣ですが、上手に着こなすために気をつけたいポイントがあります。
今回は、浴衣を美しく着るコツや、着崩れにくい所作と着崩れ直しの方法、下駄の鼻緒ずれ対策などについてお伝えいたします。
浴衣シーズン目前の今のうちに、ぜひチェックしてみてください。
浴衣を美しく着こなすポイントは?

・サイズの合う浴衣を選ぶ
サイズの合わない浴衣は、着付けにくいだけでなく、着姿も美しく見えません。
「おはしょり」を整えにくい、シワができやすいなどの「デメリット」を避けるために、なるべくサイズの合う浴衣を選びましょう。
プレタ浴衣の場合は、S/M/Lなどの「標準サイズ」で仕立てられていますので、「ぴったりサイズ」を選ぶのは難しいかもしれません。
時間的に余裕があれば、マイサイズでの「お仕立て」を検討するのも一つの手です。
きちんと採寸をしてぴったりサイズで仕立てた浴衣は、「着付けが楽」「着姿が美しい」「着心地が良い」「着崩れしにくい」など、多くのメリットがあります。
・しっかり補正をする
本来、着物の着付けには、凹凸の少ない体型が適しています。
比較的気軽に着られる浴衣とはいえ、美しく着こなすためには、体型の「補正」が欠かせません。
女性はバストやヒップのふくらみがありますので、そのままですと浴衣を美しく着ることができません。
みぞおちやウェストの「くぼみ」を埋めるように、補正をしてから着付けましょう。
ご自宅にあるフェイスタオルでも大丈夫ですが、「補正パッド」などを利用すると簡単です。
補正をしてから着付けることで、着姿が美しくなるだけでなく、着崩れしにくいというメリットもあります。
また、特にバストが豊かな方でなくても、浴衣を着るときには、和装ブラの着用がおすすめです。
・浴衣スリップなどで「透け」対策も忘れずに!
自分では気が付きにくいポイントとして、下着が透けないように注意が必要です。
ラインや色が透けにくいショーツを選び、必ず「浴衣スリップ」などを着用するようにしてください。
着物用のステテコやペチパンツなどを着用してもいいですよ!
浴衣を着崩れにくくするコツは?

しっかり補正をすることで、比較的着崩れにくくなります。
このほか、浴衣を着る時の「所作」に気を付けることで、着崩れを防ぐことができます。
・小股/内股気味に歩く
着物は裾が「すぼまっている」のが美しいスタイルとされています。
浴衣を着ていると気になるのが、「裾が開いてくる・裾がさがってくる」という着崩れです。
裾の着崩れを防ぐために、洋服の時よりも歩幅を小さめにして、少し内股気味に歩くのがおすすめです。
・身体をひねらない
衿元が開いてきたり、脇がもたついてきたり、上半身の着崩れも気になりますよね。
身体に巻き付けるようにして着付ける着物は、上半身を「ひねる」動作が弱点になります。
後ろを振り返る時はなるべく身体ごと向けるなど、「ひねる」動作を少なくするように気をつけましょう。
・腕を高く上げない
浴衣を着ていると、だんだん帯の上に着物が出てきて「もたついて」しまうことがあります。
腕を肩よりも高く上げる動作は、帯から着物をひっぱり出してしまうので、おすすめできません。
浴衣が着崩れてきたらどうする?

長時間浴衣を着ていると、どんなに気を付けても多少の「着崩れ」は避けられません。
簡単な「着崩れ直し」のやり方を知っていれば、ご自身で対処することができます。
・衿元が開いてきたら
浴衣の衿元が開きすぎていると、だらしなく見えてしまいます。
下前(右側)の衿は、左側の身八つ口から手を差し込んで斜め下に引きます。
上前(左側)の衿は、帯の下に出ている部分を引っ張って直します。「おはしょり」の形が乱れないように整えてください。
・裾が下がってきたら
裾が下がってくると、踏んでしまう危険もあります。
上前(左側)の裾は、「おはしょり」をめくって、腰ひもの上の部分を引き上げます。
・帯が下がってきたら
帯がゆるくなって、下がってきたように感じたら、ミニタオルなどを帯と浴衣の間に差し込むといいでしょう。
お手洗いの時に使うタオルとは別に、着崩れ直し用のミニタオルをバッグに入れておくのがおすすめです。
下駄の鼻緒ずれが辛い人はどうする?
浴衣を着るときには、慣れない下駄を履くのが憂鬱…という方もいらっしゃるかもしれません。
「鼻緒ずれ」対策にはいくつかポイントがあります。
・鼻緒を柔らかくしておく
新品の下駄の場合は、履く前に鼻緒を引っ張ってゆるめておくのがおすすめです。鼻緒が固い場合には、もみこんで柔らかくしておくといいですよ。
・指を奥まで差し込まない
下駄を履くときは、指を奥まで差し込むのではなく、ひっかけるようにするのがおすすめです。
・足袋を履く
レース足袋など夏用の足袋を履くことで、「鼻緒ずれ」を予防するのも一つの手です。
「鼻緒ずれ」しやすい場所にあらかじめ絆創膏を貼っておいてもいいでしょう。
まとめ

本格的な「浴衣シーズン」に備えて、浴衣を上手に着こなすポイントをまとめました。
浴衣を美しく着こなして、花火大会や夏祭り、ビアガーデンなど、夏のイベントやお出かけを楽しんでみてください。