千葉県香取市の谷屋呉服店では、全国各地の旬な「ブランド着物」を取り扱っております。
今回は、京都の「更紗屋」仁仙(じんせん)の着物をご紹介します。
インド発祥とされる「サラサ」は、独特のエキゾチックな文様や色彩が、古くから日本人を魅了してきました。
型刷り染めの「更紗屋」として、伝統と格式を守りながらも、常に新しいことに挑戦し続ける「仁仙ブランド」の魅力をお伝えいたします。
仁仙更紗の着物で、ワンランク上の「大人のおしゃれ」を楽しんでみませんか?
「更紗(さらさ)」とは?
更紗は、インドが発祥の地とされる染物です。
インド更紗は一説によると3000年もの歴史を持つとされており、木綿の生地に多色の文様を染め出したものです。
インド更紗には、唐草文様や、ペイズリー文様、人物、動物などが色鮮やかに染められました。
日本人にとっては、異国情緒を感じると同時に、何となく懐かしいような気もする模様ですよね。
インド更紗は、次々と周辺地域に伝わっていき、それぞれに特徴のある「ジャワ更紗」「ペルシャ更紗」「ヨーロッパ更紗」などが生まれました。
東方の果てである日本には、これら各地域の更紗が伝わっており、茶人などの趣味人たちに珍重されてきました。
そして、江戸時代後期になり、日本でも盛んに模倣製作されるようになったのが「和更紗」です。
「和更紗」には、手描きや木版のほか、伊勢型紙を用いる「型染め」の更紗があります。
元来、インド更紗と同様に木綿生地を染めていましたが、大正期頃からは絹織物も染められるようになり、更紗の着物や帯が登場しました。
今でも、更紗柄の着物は、そのエキゾチックな魅力と季節に関係なく着られる気安さで、「着物好き」にとても人気があります。
仁仙ブランドの更紗
職人技の「型摺り染め」
仁仙更紗は、伊勢型紙を使って刷毛で柄を染める「型摺り染め」を特徴としています。
「型摺り染め」は一色一枚の型紙を使用するため、1反の生地を染め上げるのに、20枚から多ければ300枚もの型紙を使って染め重ねられます。
気の遠くなるような作業ですが、熟練の技を持つ仁仙の職人が一枚一枚、時間と手間をかけて、丁寧に染め上げています。
・下染め
柄を染める前に、白生地に「下染め」をします。下染めにより、柄を染めたときの色に深みが出ます。
・板ごしらえと地張り
「型摺り染め」の下準備として、シワや歪みの無いように生地を板にはりつけます。熟練の技術が必要とされる大切な作業です。
・色合わせ
友禅糊と染料を調合して柄を染めるための染料を作ります。この配色が「仁仙ならでは」の色彩を生み出します。
・型摺り染め
型紙と丸刷毛で生地に染料を摺りこみます。色ごとに型紙をかえて染め重ねます。
一か所を染めるのに20~50枚の型紙を使用し、1反を染めるために「摺り染め」の回数は1000回にも及びます。
・蒸し/水元/乾燥
生地に蒸気を当てて色を定着させ、余分な染料を洗い流してから、生地を乾燥させます。
・幅揃えと整理
最後に反物の幅を揃え、生地をまっすぐに整えます。
斬新な色彩とモダンで個性的なデザイン
「仁仙更紗」をご覧になると、まず目を引くのは、その独特な色彩でしょう。
仁仙ブランドの着物は、ドイツから直輸入した「含金染料」を使用しています。
ヨーロッパの一流ブランドのスカーフにも使われている染料を用いることで、仁仙更紗の特徴である「透明感と華やかさ」が生み出されています。
仁仙特有の鮮烈な色彩と、エキゾチックな「更紗」文様が相まって、唯一無二の魅力を放つ着物や帯が出来上がります。
仁仙のモダンなデザインには、洋服のおしゃれにも負けない現代的なセンスが光っています。
仁仙ブランドの商品コンセプトは、「上品さと個性のある着物」です。
・パーティーシーンからカジュアルシーンまで幅広く上品に着こなせる着物
・多種多様な個性を演出する「更紗文様」
仁仙更紗の着物は、華やかな色彩の着物も決して「派手」にならず、上品に着こなすことができます。シックなカラーの着物も、仁仙更紗の「個性」が引き立つので、地味に見えることはありません。
仁仙ブランドの着物なら、ドレスをまとう感覚で着物のおしゃれを楽しむことができそうですね。
「大人のおしゃれを楽しみたい!」という着物好きの方は、ぜひ仁仙の着物をお手にとってみてください。
帯や小物とのコーディネートも楽しめる
仁仙では、小紋や訪問着などの着物に合わせて、帯のコーディネートも楽しむことができます。
ヴィヴィッドカラーの着物に、渋めの更紗の帯を合わせてもいいですし、まるで古更紗のようなシックなカラーの着物に、色鮮やかな帯を合わせてもおしゃれですね。
また、仁仙更紗を使った和装バッグや、仁仙更紗の鼻緒がおしゃれな草履などの「和装小物」もあります。
いつもの着物スタイルに、ひときわ目を引くアクセントとして、「仁仙更紗」の和装小物を採り入れてみてはいかがでしょうか?
いかがでしたか?
千葉県香取市の谷屋呉服店では、定期的に着物や帯の展示会を行っております。
全国各地から取り寄せた「名品」を、実際に、間近でお手に取ってご覧いただけるチャンスです。 今回ご紹介した「仁仙」の着物や帯も、今後の谷屋展示会に登場する予定となっております。どうぞお気軽にご来場くださいませ。