梅雨入り目前!雨の日でも着物を着るには

雨の中の紫陽花

梅雨入り目前!雨の日でも着物を着るには

もうすぐ梅雨のシーズンがやってきます。

着物でのお出かけを楽しみにしている方は、お天気も気になりますよね。

雨の日は着物を着ないという方もいらっしゃると思いますが、きちんと対策をすることで、雨でも着物を楽しむことができます。

雨の日に着物を着るための対策や、事前に準備しておくと安心な「おすすめアイテム」などについてご紹介します。

着付け教室 | 谷屋呉服店

湿気や雨に弱い「着物」

正絹(シルク100%)の着物や帯にとって、湿気や水濡れは一番の大敵といえます。

雨の日には、泥ハネなどもしやすくなりますので、お気に入りの着物はやはり雨の日には着たくないものですね。

雨の日でも着物を着るためには、大きくわけると二つの対策方法があります。

➀「洗える着物」を着る

近年は、ポリエステル製の「洗える着物」にも、おしゃれで高級感のある物が増えました。

ご自宅でも洗濯できる「洗える着物」は、濡れても大丈夫ですので、雨の日でも安心して着用できます。

カジュアル向きの「小紋着物」のほか、「付下げ」や「訪問着」などセミフォーマル/フォーマル向きの「洗える着物」もあります。

雨の日専用の着物として、一着お手元にあると重宝しそうですね。

➁雨の日用の和装アイテムを準備する

雨の日用の和装アイテム

お気に入りの着物を濡らさずに、雨の日にも着用したい場合には、さまざまな「雨の日用アイテム」をフル活用して万全の対策をしてください。

憂鬱になりがちな「雨の日」も、おしゃれな専用グッズを身に着けることで、ちょっと楽しい気分を味わえそうですね。

雨の日の「和装アイテム」

和装用の雨コート

雨の日に着物を濡らさないためには、着物専用のレインコート(雨コート)がおすすめです。

表面がつるっとした高密度の正絹生地に「撥水加工」を施した上品な雨コートのほか、ポリエステル製などで気軽に購入できるタイプもあります。

ワンピースタイプ(一部式)の雨コートを購入される際には、泥ハネを防げるように、足元までしっかり隠れる丈を選びます。既製品でもいいですが、ご自身の寸法に合わせて仕立ててもらうと、より美しい着姿になります。

お出かけ先での急な雨が心配…という場合には、「二部式」の着物用レインコートを準備しておくといいでしょう。

雨コートを着用する時には、着物クリップや腰ひもを使って着物の裾をたくし上げておくと安心です。

草履カバー

草履カバー

雨の日には、草履が濡れたり汚れたりするのも心配ですね。

草履をすっぽり包み込んでくれる「レインカバー」を用意しておくと安心です。

着脱は難しくありませんので、外出先で雨が降り出してしまった場合も、簡単に装着できます。

透明なビニール製で、見た目にも配慮されています。

雨カバーつきの下駄

カジュアル着物の場合には、雨の日は草履ではなく下駄を選ぶのも一つの手です。

下駄の底には「歯」がついているので、草履よりも着物の裾が濡れにくく泥ハネ対策にもなります。

また、下駄の方が草履よりも滑りにくいので、転倒の危険も少なくなります。

下駄を履く場合にも、足袋が濡れないように、雨カバーをつけるようにしましょう。

下駄用の雨カバーには、昔ながらの「爪皮(つまがわ)」や草履カバーと同じようなビニール製の雨カバーをつけることができます。

ブーツスタイルも

カジュアル着物の場合には、思い切ってブーツスタイルにしてもおしゃれです。

ブーツを履く場合は、裾を短めに着付けるとバランスが良いので、泥ハネ対策にもなります。

雨の日は足元が滑りやすいので、ブーツなら安心ですね。

足袋カバー

雨の日の足元は、草履や下駄用の雨カバーをつけても、足袋が汚れやすくなります。

移動中は普通の足袋の上からストレッチタイプの「足袋カバー」をつけておき、外出先に到着してから脱ぐようにしましょう。

雨がしみ込まないように、撥水生地で作られた雨の日専用の足袋カバーを用意しておくのがおすすめです。

大き目の傘

着物用の大き目の傘

なるべく雨に濡れないように、大き目の傘を用意するのも重要です。

着物姿では、帯結びの厚みがありますので、帯までしっかり隠れるサイズの傘を選びましょう。

着物が濡れてしまったら?

正絹(シルク100%)の着物は、水に濡れると縮んで「シミ」のような状態になります。

着物に水滴がついたことに気が付いた時の「応急処置」としては、雨が繊維にしみ込む前に、柔らかいタオルなどでそっと水分を拭き取るようにしましょう。

固い布などでゴシゴシこすると摩擦で生地が傷みますので、ガーゼやタオルなどの柔らかい生地を使用してください。

既に繊維内部に水がしみ込んだ状態や、水でぐっしょり濡れてしまった場合には、ご自身で対処するのは困難です。

着物ハンガーにつるして乾かした後、なるべく早めに専門店にお手入れの相談をしましょう。

乾かす際にドライヤーや乾燥機は使用しないでください。

泥ハネがついてしまった場合も、ご自身の判断でこすったり拭いたりせずに、専門店に相談することをおすすめします。

専門店に持ち込んでも対処不可能な場合や、補正にかなりのコストがかかることもあります。

大切な着物は、雨に濡れないようにするのが一番です。

先に挙げた「雨対策アイテム」を活用したり、なるべく雨に濡れない移動手段を選んだりして、しっかり対策をしましょう。

いかがでしたか?

せっかく着物でお出かけしようと思っていたのに、雨だから諦めるのはもったいないですよね。

しっかり雨対策をしておけば、雨の日でも着物のおしゃれを楽しめます。ぜひ挑戦してみてくださいね。

雨の日に和装で出かける男女